く華陽院の願い>
岡崎三郎清康は、水野忠政の酒宴の席で``この婦人を予にくれぬか''相手が五子の母であり、忠政の正妻と知っての戯れである。しかし、弱者にとっては、それで済まない。忠政は、そっと妻を離別し、清康はそれをめとったのである。この時の華陽院の悲しみは誰にもわからなかったであろう。華陽院はこのような悲劇をなくする為に、両家を結びたいと思ったのです。
いとしい殻や、和子たちを失うことのない安らかな世が欲しい、その世をうみだすは女子のつとめと思ったのです。争うては、憎み憎まれて果てしない無間地獄、男の手では、この地獄は断てません。この乱世の業火を消す子を産まなければなりません。華陽院は、水野忠政を通じ、両家を結びつけることに苦心するのです。乱世の業火を消す子、忠政の忍耐と清廉の剛勇を合わせ持った子が欲しいと願いました。忠政は、小さな怨みにとらわれず、大きなまこと(真実)で両家を結び、神仏の思いにかなうことを考え、この怨みを祈りにかえて、更にもう一人、一番愛しいものを献げて、神仏の加護を得ようと考えたのです。そして、この乱世の悲劇を終わらせたいと愛しい於大を岡崎へ送ることにしたのです。 |